東京で無人古着屋を3店舗経営しております。
月間500-600着前後(年間5000-7000着)の古着を販売しています。
そんな現役古着屋オーナーの私が、よくご相談いただく無人古着屋のフランチャイズへの加盟についていろいろ考えてみましたのでお役に立てれば嬉しいです。
先に結論をお伝えしておくと『無人古着屋のフランチャイズに加入するメリットはほとんどない』と思います。
無人古着屋とは?
無人古着屋とは、顧客が自分で券売機やセルフレジで会計をする業態の古着屋の事です。
店員がいないことで人件費が削減できることや、お客さんもリラックスして買い物ができるメリットがあります。
無人古着屋のフランチャイズに加盟するメリットとは?
無人古着屋のFCに加盟するメリットについて考えてみました。
ボリュームディスカウントを受けやすい
スケールして仕入れのボリュームが増えれば、海外のラグ屋や卸業者から多少割引をもらえたり安く仕入れができるメリットがあります。
毎月10着仕入れるより、1,000着まとめて仕入れをしたほうが、仕入れコストを下げやすいですというイメージですね。
ノウハウが貯まりやすい
加盟店が増えれば、ここの店舗はうまくいった、こういう集客方法が成功したなどのノウハウが貯まりやすくなります。
仕入れを本部へ任せられる
本部から商品が提供されるので、仕入れの手間が省けます。
無人古着屋のフランチャイズに加盟するデメリットとは?
加盟金やロイヤリティを支払う価値があるかが疑問
仮に加盟金を300万円、ロイヤリティーを月間10万円とします。
まず無人古着屋のFCで加盟金300万円を支払うのでしたら、立地次第でお店を2ー3店舗オープンできます。
また、毎月10万円のロイヤリティを支払うんでしたら、いい古着が毎月100着以上仕入れできます。
100着仕入れができたら経験上、20万円以上売上も伸ばせます。
大手古着屋(総合リサイクル店)でも閉業したり、赤字を出すような時代に、初期コストをここまでかけて、なおかつロイヤリティーを半永久的に毎月払って看板を借りるようなメリットは少ないような気はします。
むしろ投資回収するのに一層時間がかかり資金繰りなどにも悪い影響が出て、結果的にはお客様に喜んでもらえるようなお店作りができません。
できるだけ開業費用や固定費をかけないのが『無人古着屋を成功させる為の1つ目の秘訣』だと思います。
古着屋は立地にも大きく左右される
集客も立地に左右されることが多いです。
立地(なおかつ坪単価が安いテナント)に恵まれていれば、FCに加盟せずともビジネスが成功する確率は上がります。
本部がいい物件を紹介してくれるわけでもありません。基本的には物件は結局自分で選ぶことが多いと思います。
古着の質がとてもいいお店ならまだしも、無人古着屋の場合『○○というお店だから行く』というより、『家から近いから行く』というお客さんは多いような感じはします。
なおかつ無人という形態で高価格帯の商品はおけない点も、既存の有名な古着屋のような差別化はしにくいです。
仮に大手の古着屋(総合リサイクル店)が近所にできたら、基本的に店内も広く店員さんもいないようなものなので無人店のメリットも消されやすい、なおかつ商品量も多いので、それだけでも経営面で不利になります。
仕入れは自分でもできる(仕入れ先が限定的に)
先ほどメリットに挙げましたが、実は本部に仕入れを任せる考え方は危険です。
古着の仕入れについて、今は国内の卸業者が沢山存在していて取引してくれますし、ネットでも沢山いい古着が纏め売りされています。
※ただし商品選定を間違えると失敗します。
フランチャイズですと、本部から商品を供給される場合、一見『安定して商品が供給されるので安心』と思いがちですが、それだと仕入れ先が限定的になり、自分で商品を選べないデメリットがあります。
仕入れも他社より安いように見せられることもあるかもしれませんが、結局加盟金やロイヤリティを支払っているので仕入れ単価も上がり自分でやったほうが安くなります。
以上の理由からも、投資回収期間が明らかに伸びると思います。
また、いろんな卸業者を見て、沢山の仕入れ先を検討していくほうが、リスクヘッジにもつながりやすく時代の変化にも対応しやすいです。
何より『古着が好きで成功させたい・お客さんにも喜んでもらいたい』というフランチャイジー側の経営に対するモチベーションも上がりにくいのかなと思います。
無人古着屋のブランド力がない
小さいお店や、新しくオープンした個人店でもお客さんの需要の分析、立地、仕入れ開拓、マーケティング、ネット販売をしっかり行えば売れるのが無人古着屋のビジネスだと思います。
例えば、買取をしていたり膨大な商品量があるような『ト〇ジャーファクトリー』みたいなお店がもしフランチャイズをしているのでしたら、全国的にも有名なので集客効果はありますが、無人古着屋『○○』だから、少し遠くても行ってみようとはなりにくく、そのブランドに多くの価値があるとは考えられにくいです。
むしろ下手したら何十年も経営するのでしたら『自分が愛着を持てる店名』をつけたほうが、やりがいも増すんではないでしょうか?
コンビニの様に量産されているお店に誰が行く?
個人的な意見ですが、古着屋さんってオーナーさんの好みだったりセンスがお店や商品に表れているから楽しいのに、コンビニの様にどこの店舗へ行っても似たようなクローンのようなお店へ行っても楽しくないですよね?
セカンドストリートやトレファクの様に資金力を持ってして店頭や宅配買取の仕組みを確立して色んなジャンルの商材を保有していたり、国内ブランド含めて色んなアイテムが相場より安く手に入る、またはお宝が眠っているような店舗のほうが、よほどエンドユーザーとしては満足いくと思います。
ただし立地と商材選定を間違えると、、
ただし立地と商材選定だけは、間違えると必ず失敗します。
現に2024年以降、無人古着屋の閉店も相次いでいます。
商売である以上、いろんな要素が合わさってうまくいくと思いますので、表面上だけマネしたところでそう簡単にはいかないです。
FCは本部が儲り続ける為のビジネス!?
業態によるのですべてが悪いFCとは思いませんが、古着屋に関してはFCのメリットがないと思います。
他の古着屋より圧倒的に安くていい仕入れができるルートを持っている本部だとすれば別ですが、話を聞くとそのようなルートを持つFCは今のところゼロに近いと思います。
※今は国内にも山ほど古着の卸倉庫もあります。
結局誰でも契約できるようなウエスや国内の卸業者、リサイクル店舗からの仕入れだったり、誰でもできる事なのにロイヤリティーを支払う羽目になります。
そもそも加盟金を300万円支払うのであれば、相当いい仕入れができたり、下手したら現地にバイヤーを置いたりもできるので、それをもってして商品力を高めて集客もできますし、多くのお客さんにファンになってもらえる可能性が高いです。
古着屋の開業の仕方がわからないのでしたら、フランチャイズのような永遠に本部へロイヤリティを支払うものではなく、単発で初回だけコンサルティングを受ければ相当費用が浮きます。
まとめ
個人の見解に基づくものですので一概によくないと言えないかもしれませんが、現役で無人古着屋を地道に経営している私からすると加盟金やロイヤリティーを支払ってまで、無人古着屋のFCに加盟するメリットは全くないと思いました。
もう一度言いますが、フランチャイズの仕組みは半永久的にオーナーの首を絞めると思います。
もしFCを検討されている方がいれば、現役の無人古着屋オーナーである私が有料で開業コンサルティングもしております。
毎月500-600着販売している経験から開業指導しますが、50-100万円するような加盟金や毎月数万円支払い続けるようなロイヤリティは一切ありません。
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※姉妹店も2024年現在、12店舗OPENしております!
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