「古着屋ってなんか儲かりそうだよね」――ここ数年、そういった声をよく聞くようになりました。
たしかにサステナブルブームやZ世代の古着人気など追い風は強く、市場は拡大しています。

でも、実際どうなのか?
店長今回は、これまでに東京で古着屋を3店舗経営し、現在は2店舗を直営している私(毎月売上は100万〜200万、粗利率は6割超え)の立場から、リアルな実情をお伝えします。
「儲かるかどうか」を一言でまとめると――やり方による。 その“やり方”の違いを、実際の店舗運営の中で感じたリアルな話として共有していきます。
儲かる古着屋の共通点10選


私の経験と周囲の成功店舗を見ていて、「儲かる古着屋」には共通して次の10個の要素があると感じています。
- 仕入れ力:安定的に質の高いアイテムを仕入れるスキルとルートがある。
- 商品力:良いピックができる。セレクトのセンスがある。
- 無駄な仕入れをしない:売れない服や状態の悪い服を仕入れすぎない。価値の薄い商品を入れない判断力。もしくは不良在庫をキャッシュに変える手段を持っている
- 販売単価を上げられる:同じ商品でも“高く売る”提案力、売り方の工夫がある。
- SNSでの発信力・集客力:Instagramなどで継続的に発信・集客できている。
- 差別化できている:小物や雑貨、空間づくり、セレクトなどで他店と違いを打ち出せている。
- 粗利率が高い:原価管理や、販売戦略・仕入れ戦略がしっかりしていて粗利が取れている。
- 業態ごとの戦略がある:無人店舗はアッパーはあるが利益が出しやすい/有人店舗は接客と販売力で高単価を狙えるがコストは重い。
- 通いやすい雰囲気:お客さんにとって“入りやすい店”であること(スタッフの態度や空気感が良い)。
- 立地が的確:出店前に商圏・人流・競合分析などをしっかりやっている。
リアルな体感:これが現場の差を生む
売上が安定している店舗(店舗A)と、伸び悩んだ時期がある店舗(店舗B)では、上記の項目がかなり影響しています。
たとえば、店舗Aでは販売単価を意識しており、商品の見せ方・什器・セット提案などで「安く見せない」工夫をしています。逆に、店舗Bでは安く売って回転を狙う時期がありましたが、粗利も下がり、固定費をカバーしきれない月もありました。
また、SNS更新の頻度や質も顕著に差が出ます。 月に2回の入荷に合わせてしっかり投稿し、雰囲気や着こなしを伝える店舗はリピーター率も高い。一方、更新が止まりがちな店舗は自然と客数も減っていきます。
そして何より大きかったのは、“不要な仕入れをしない判断力”でした。 「売れそうだから」という理由で状態の悪いものやサイズ感が合わない服を大量に仕入れてしまうと、利益率を一気に圧迫します。
無人と有人のバランスもカギ





私は現在、無人形態の古着屋を2店舗運営しています。
無人店舗は売上の上限はある程度見えてしまいますが、その分、人件費がかからず固定費が軽く、利益はしっかり残ります。
一方で有人店舗は、人件費・教育・労務のコストはかかるものの、高単価商品を提案して売ることができるのが強みです。
どちらが正解という話ではなく、**「何を売りたいか」「どんな戦略を取るか」で選ぶべき」**というのがリアルな結論です
売れない古着屋の共通点とは?





では逆に、「なぜ古着屋は儲からないのか?」を見ていきます。 私が見てきた中で、撤退していったお店や苦戦している店には明確な共通点があります。
1. 実際に見てきた「危うい店舗」の特徴
- 店の前でスタッフがタバコを吸っている(清潔感や空気感の喪失)
- 常連だけが集まる“身内ノリ”店舗(一般のお客さんが入りづらい)
- POPがない/価格が不明/商品に統一感がない
- 入荷サイクルが遅く、いつ来ても商品が同じ
- こういった要素があると、どれだけ商品が良くても「通いたい」と思われにくくなります。
2. 仕入れミスが連鎖して崩れていく店
「とりあえず買っておけば売れるだろう」と仕入れた商品が回転せず、在庫過多になる。
在庫過多になると新しい仕入れができない→売上が下がる→さらに仕入れで穴埋めしようとする→失敗、という悪循環に陥ります。
これは資金的にも心理的にも大きなダメージを残します。
3. “好き”だけじゃ続かない。数字と理性が必要
「古着が好きだから」という気持ちはスタート地点としては大切ですが、ビジネスとして続けていくには冷静な視点と数字への強さが不可欠です。
好きな系統の商品に偏りすぎたり、趣味嗜好が強すぎると売れ筋とのズレが生じて赤字になりやすくなります。



最近だと、ノンフィクションという番組でも好きだけではうまくいかない部分がよく映し出されていましたね。
4. 資金繰りとキャッシュフロー管理の重要性
売上が上がっていても、仕入れや家賃、人件費などの支出が重なると資金ショートは簡単に起こります。
特に古着屋は現金仕入れが多いため、常に「次の仕入れに使える現金がどれくらいあるか」を意識しておかないと、仕入れチャンスに動けなくなります。
5. 設計なき出店・運営で迷走する
勢いやノリで店舗を出したり、立地や商圏を深く考えずに始めると、出店後に“どうやって売るか”を迷い続けることになります。
コンセプト、価格帯、ターゲット、導線設計など、開業前にロジックを詰めておくことが安定経営には不可欠です。
結論:古着屋は“儲かる”けど、戦略と仕組みがすべて





私は無人店舗で月商50-100万円規模、粗利率6割超えの2店舗を運営しています。
ここまで来るのに時間も失敗もありましたが、共通して言えるのは「仕組みで勝てる古着屋は強い」ということです。
- 仕入れ・ピックの精度を上げる
- 単価を上げる売り方を工夫する
- 無駄な在庫を持たない
- SNSなどの集客導線を設計する
- 接客・空間づくり・差別化を継続する
「なんとなく始めた古着屋」は、だいたい苦戦します。
逆に言えば、数字とロジックを持って“設計して開業した古着屋”は、しっかり利益を出せます。
これから古着屋を始める方も、運営中で悩んでいる方も、ぜひこのリアルを参考に、次の一手を考えてみてください。
おまけ:フランチャイズってどうなの?



よくフランチャイズについても聞かれるのですが私はこう考えます。
① 初期費用が高いのに、得られる恩恵は少ない
多くの無人古着屋フランチャイズでは、加盟金として数百万円を請求されます。
中には300万円を超える初期費用がかかるケースもありますが、正直その資金があれば自分で一から古着屋を立ち上げることが可能です。
その割に費用対効果は極めて薄いと感じざるを得ません。
② コンビニのような古着屋は、個性がなくてつまらない
フランチャイズ型の無人古着屋では、内装や価格帯、商品の構成まで画一的に決められている場合がほとんどです。
結果として、どこに行っても同じような店構え・同じような商品が並び、「その街ならではの店」や「オーナーのセンスが光る店」といった個性は完全に失われてしまいます。
古着屋に求められるのは、“均一化”ではなく“多様性”です。
コンビニのような仕組みに落とし込んだ瞬間、古着屋の面白さは死んでしまいます。
③ フランチャイズ本部が儲けたいだけにしか見えない
多くのフランチャイズ本部は、店舗運営がうまくいくかどうかよりも、加盟金ビジネスで収益を上げることを目的としているように見えます。
店舗が赤字になろうが、最初に本部が得る収益には関係がないという構造がある以上、本当にオーナーの成功を願っているのか疑問が残ります。
④ 本部が行っている仕入れは、実は誰でもできる
「本部独自のルートで仕入れています」とアピールされることもありますが、実際に調べてみると、その多くは誰でも使える国内外の卸サイトや輸入業者だったりします。
しかも、本部を通すことでかえって中間マージンが乗ってしまい、原価が高くなることも少なくありません。
むしろ個人で直接仕入れた方が、柔軟に、そして安く仕入れられる可能性すらあるのです。
⑤ロイヤリティは絶対にきつくなる
しかも毎月のロイヤリティは売上の5〜7%が定率で引かれる仕組みになっている場合が多く、突発的な出費がある月でも関係なく請求されます。
営業利益の5〜10%ならまだしも、売上に対して課金されるロイヤリティは、一生自分の首をしめ続ける重荷になりかねません。
ただでさえ家賃や水道光熱費などの固定費、広告費や仕入れコストといった変動費の負担が大きいなか、そこに本部への上納金が乗る構造は、個人事業者にとって非常に厳しいものです。



これについてはこちらにも詳しくまとめていますので、もしご興味があれば目を通して頂ければ幸いです。


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